無機質な部屋のつくり方。コンクリート、グレー、そして一枚の布

MIDTONE COLUMN VOL.6

コンクリートの壁、グレーの床、脚の細い家具。「無機質な部屋」に憧れる人は増えていますが、写真のままの無機質さは、住むと少し疲れます。MIDTONEが考える「住める無機質」の条件は四つ。硬いものを揃えて、最後に一枚だけ、やわらかい面を置きます。

コンクリート壁の部屋に置いたセメント調サイドテーブル

1. コンクリートは、一面で足りる

無機質な部屋の基準になるのはコンクリートです。ただし、四面すべてを打ちっぱなしにすると、音が硬く、冬は寒々しく感じます。壁は一面。窓と反対側か、ソファの背の面を選ぶと、部屋に入った瞬間に目に入ります。残りの面はライトグレーのままでいい。一面のコンクリートが、部屋全体の色をグレーに引っぱってくれます。

2. 家具は脚を細く、素材を三つに絞る

木の家具が増えるほど、部屋は「木の部屋」に戻ります。無機質さを保つなら、素材はスチール、セメント、アクリルの三つに寄せる。黒い細脚のデスクとチェア、セメント調のサイドテーブル、縦一本のスチール本棚。脚が細いと床の面積が広く見え、コンクリート調の床が活きます。

縦一本のスチール本棚

3. 触れる場所だけ、やわらかくする

コンクリートは見るものであって、触るものではありません。だから無機質な部屋には、手を沈められる場所が一か所いります。ソファに掛けた太い畝のファーブランケット、床に置いたリネンのクッション。色はグレーのまま。素材だけを変えれば、部屋の無機質さは崩れません。硬い部屋に、やわらかい面をひとつ。この一枚があるかどうかで、「写真の部屋」と「住める部屋」が分かれます。

コンクリートの部屋のソファに掛けたグレーのファーブランケット

4. 光は低く、暖かく

無機質な部屋を夜に冷たくしないのは、光の位置と色です。天井の照明を消して、壁の低い位置に電球色の光を一つ。コンクリートの表面の凹凸が影をつくり、昼とは別の顔になります。光源は小さくていい。貼るだけの間接照明で足ります。

硬さを揃えて、一枚ゆるめる

無機質な部屋のコツは、硬いものを徹底して揃えたあと、一か所だけゆるめることです。ゆるめる場所は、いちばん長く座る場所。ソファか、床か。そこに一枚、無彩色のやわらかい面を置いてください。

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